후리가나로 읽는 일본 고전
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くろねこ
黒猫
島木 健作
島木 健作의 黒猫(くろねこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,717자 · 14화면
毛は長くはないが、いかにももっさりと厚い感じだ。口は頬までも裂けていそうだ。頬には一束の毛が総のように叢がっている。髭は白く太い。――しかしその獰猛さを一番に語っていそうなのは、しなやかな丸太棒とでもいいたいようなその四肢だった。足は上が太く、足首に至るに従って細くなるというのが何に限らず普通だろう。足首の太いものは行動の敏活を欠くなどともいわれている。ところが大山猫の四肢は上から下までが殆ど同じ太さで、しかも胴体に比べて恐ろしく太く且つ長い。それが少しも鈍重な感を与えぬばかりか、弾力ある兇猛な力を感じさせる。彼はこういう四肢をもって殆ど音もさせずに歩く。そしてその足指の陰には熊の剛毛をさえも引き裂くべき、剃刀のような鈎爪がかくされている。
私はこういう剽悍な奴が、眼をランランと光らせて、樺太の密林のなかを彷徨している姿を想像した。樺太全土にもはや一頭いるか二頭いるかわからない、絶滅に瀕している、一族の最後のものなのである。何という孤独であろう! しかしそこには孤独につきまとう侘しげな影は微塵もない。あるものはただ傲然たる気位である。満々たる闘志である。