후리가나로 읽는 일본 고전
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どんてん
21世紀の日本人へ 永井荷風
永井 荷風
永井 荷風의 21世紀の日本人へ 永井荷風(どんてん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 24,356자 · 51화면
垣が倒れようが戸が破れようが、間借りの人は主人をさし置いてとやかく言うことはできない。差出口をするのは僭越であり失礼であろう。雨漏がしていられなくなれば引越先をさがすより仕様がない。引越す目当がなければ枕元に盥でも持出して徐に空の晴れるのを待つばかりだ。国家社会に対するわれわれ庶民の生活もまずこれに似たものらしい。治世の如何は台閣の諸公の任意に依るもので、庶民の力の及ぶべきところではない。間借の人の義務は滞りなく間代を払い畳に焼焦しをしなければよいのである。間代を払っても古家の雨漏りは速急に直るものではない。家賃や間代を先取した家主が店子に向って濡れた着物の損害を償ってやった話は聞いた事がない。大岡政談などにも無かったようである。庶民の蒙る敗戦の被害は貸間の雨漏りに似ていると思えば間違はないであろう。
○二十余年前震災で東京が焼原になった時、誰が言出したのか頻に遷都の説が伝えられた。これを聞いてわたくしは心窃によろこんでいた。帝都の遷されるべき処のいずこであるかは知るよしもなかったが、もしその事が実行せられる日には、この東京に居残るものは直接社会に関係のないものと、ことに東京の風土を愛するものとばかりになるであろう。