후리가나로 읽는 일본 고전
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どんてん
21世紀の日本人へ 永井荷風
永井 荷風
永井 荷風의 21世紀の日本人へ 永井荷風(どんてん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 24,356자 · 51화면
五重の塔や、石燈籠や、石橋や、朱塗の欄干にのみ調和する蓮の葉は、自分の心と同じよう、とうてい強いものには敵対する事の出来ない運命を知って、新しい偉大な建築の前に、再び蘇生する事なく、一時に枯れ死して、わざわざ、ふてくされに、汚い芥のようなその姿を曝しているのであろう。
曇った空は、いよいよ低く下りて来て、西東、何方へ吹くとも知れぬ迷った風が、折々さっと吹き下りる。その度毎に、破れた蓮の葉は、ひからびた茎の上にゆらゆら動く。その動きを支え得ずして、長い茎はすでに真中から折れてしまったのもたくさんある。揺れて触れ合う破れ葉の間からは、ほとんど聞き取れぬほど低い弱い、しかし云われぬ情趣を含んだ響が伝えられる。河風に吹かれる葦の戦ぎとも、時雨に打たれる木葉のきとも違って、それは暗い夜、見えざる影に驚いて、塒から飛立つ小鳥の羽音にも例えよう、生きた耳が聞分けるというよりも、衰えた肉身にひそむ疲れた魂ばかりが直覚し得る声ならざる声である。
真珠のような銀鼠色した小鳥の群が、流るる星の雨の如く、破れ蓮にかくれた水の中から、非常な速度で斜めに飛び立った。空の光を受けた水の面の遠い処は、破れ蓮の間々を、眩しいほどに光っている。