일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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アイえきのいちや

I駅の一夜

中谷 宇吉郎

中谷 宇吉郎의 I駅の一夜(アイえきのいちや)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,480자 · 10화면

아오조라 문고

まだ戦争中の話である。

三月十日の未明、本所深川を焼いたあの帝都空襲の余波を受けて、盛岡の一部にも火災が起きた。丁度その時刻には、私は何も知らずに、連絡船の中でぐっすり寝ていた。

青森に着いても何事も知らされず、いつものように乗客は先を争って汽車に乗ろうとし、それを制止する駅員の声がとぎれとぎれに雑沓の中に響く、普段通りの連絡駅風景であった。雪が少しばかり降っていた。

やっと座席がとれてほっとした。やれやれこれでとにかく東京まで行けるのである。黙って坐ってさえいれば、いつかは東京に着けるということが、この頃は少し不思議なことのように感ぜられるくらいである。

ところがこの時は、折角のその安心感が僅か半日で打ち切られてしまった。盛岡へ着いてみたら、駅の周囲がすっかり焼けていて、まだ余燼が白く寒空に上ち昇っている風景に遭った。今朝の夜明けに初めての空襲があって、駅も少しばかりの被害を受けた。とにかく汽車は此処で打切るから、次の盛岡始発の列車に乗れという話である。

重い荷物を持ちあぐみながら、いわれた通りに三時間ばかり待って、次の列車に乗ろうとしたが、恐ろしい雑沓でとうとう乗りはぐれてしまった。