후리가나로 읽는 일본 고전
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アイえきのいちや
I駅の一夜
中谷 宇吉郎
中谷 宇吉郎의 I駅の一夜(アイえきのいちや)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,480자 · 10화면
やっとのことで二軒ばかり宿屋の名前を教えてもらって、真暗な町の中をたずねて行ってみたが、全部満員ですとあっさり断られてしまった。
仕方なく再び交番まで帰ってみると、巡査はひどく不機嫌である。「何度来たって駄目ですよ。此処に電話があるんで、ちょっと宿へ電話でもかけてくれたらと思うんでしょうが、これは警察電話で町へはかからない電話なんですよ」と頼まないことまで先手を打って断られてしまった。
かかわり合っても仕方がないと諦めて、再び街へ出てみた。雪は益々ひどくなり、真暗なこの田舎の街には人は一人も通っていない。もう十時を過ぎているかもしれない。望みはなさそうである。しかしそうかと言って、この雪の中では野宿も出来ないので、今一度宿屋らしい家はないかと盲滅法に当ってみることにした。
駅前の大通りを少し下って行ってみると、さっき断られた大きい宿屋の向いに、平屋の広い背の低い家があった。その恰好が夜目にも何となく昔の宿の宿屋を思わせるものだったので、思い切って前の硝子戸をあけてみた。戸には鍵がかかっていなくて簡単にあいて、中に広い土間がある。家の中は真暗であるが、真中に長い廊下があって、その一隅に燈火管制をした電燈がついている。