일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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うすゆきしょう

うすゆき抄

久生 十蘭

久生 十蘭의 うすゆき抄(うすゆきしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 30,454자 · 59화면

아오조라 문고

になった。足利へ父の手紙を持ってくる使者にきくと、時疫にかかって急死したというようなことだったが、小太郎も副大将の貝津ノ藤吉も、母のことを言いだすと妙に話をそらしてしまう。とうとうくわしいことは聞けずにしまったが、その辺の事情をおすと、いずれ母に関係のあることだとも思われるのである。

大炊介はそうして五年ぶりに入谷津の山曲へ帰着したが、もとより人などの来ることもない谷戸の奥なので、ここの谷窪、むこうの段地と、とびとびにある陸田も狭田もみな猪に踏み荒され、茅葺の山家は壁がぬけて蜻蛉や飛蝗の棲家になり、いくらかは花を植えてあった前庭も葛や葎にとじられて、おどろおどろしいようすになっていた。大炊介という男は戦争三昧の荒々しい時流に関心がなく、といって士道実践の規範たる儒学にもさほど執心しているわけでもない。なにを志望し、なにを楽しみに生きているのか自分にもよくわからないような漠然たる年月を送ってきたが、きょう蘆屋道益の一ノ姫と松原の渡し舟に乗合わしたとき、ふと春風が吹きすぎるような、悩ましい暖気にあてられたのが患いになり、ほとほとと飛びあるく飛蝗の足音を聞きながら、これもまた帰るなり出居の敷莚に寝ころがってしまった。