후리가나로 읽는 일본 고전
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きりぎりす
きりぎりす
太宰 治의 きりぎりす을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 37,186자 · 74화면
も、きっと、あの、私の眼帯の魔法が手伝っていたと存じます。
水野さんは、みなし児なのです。誰も、しんみになってあげる人がないのです。もとは、仲々の薬種問屋で、お母さんは水野さんが赤ん坊のころになくなられ、またお父さんも水野さんが十二のときにおなくなりになられて、それから、うちがいけなくなって、兄さん二人、姉さん一人、みんなちりぢりに遠い親戚に引きとられ、末子の水野さんは、お店の番頭さんに養われることになって、いまは、商業学校に通わせてもらっているものの、それでもずいぶん気づまりな、わびしい一日一日を送って居られるらしく、私と一緒に散歩などしているときだけが、たのしいのだ、とご自分でもしみじみそうおっしゃっていたことがございます。身のまわりに就いても、いろいろとご不自由のことがあるらしく、ことしの夏、お友達と海へ泳ぎに行く約束をしちゃったとおっしゃって、それでも、ちっとも楽しそうな様子が見えず、かえって打ちしおれて居られて、その夜、私は盗みをいたしました。男の海水着を一枚盗みました。
町内では、一ばん手広く商っている大丸の店へすっとはいっていって、女の簡単服をあれこれえらんでいるふりをして、うしろの黒い海水着をそっと手繰り寄せ、わきの下にぴったりかかえこみ、静かに店を出たのですが、二三間あるいて、うしろから