후리가나로 읽는 일본 고전
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
山本 周五郎의 さぶ을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 210,521자 · 415화면
倒壊する建物の庇あたりが、彼の背をかすったほど危ない一瞬であった。外は足のくるぶしを越す水で、突風の来るたび、その水面から白くしぶきの飛ぶのが、闇をとおしてはっきり見えた。――長屋の他の部屋の者たちも出ていて、なにか叫びあう声はするが、風の唸りに消されてまったく聞きとれなかった。役所も見張小屋もまっ暗で見えず、水はぐんぐん増していて、もう脛の半ばにまで深くなった。
「手を貸してくれ」と誰かが叫んだ、「倒れたうちの中に誰かいるぞ」
栄二は振り向いた、「本当か、誰だ」
「誰だかわからないが、おれのうしろにいたやつが一人逃げおくれたんだ」とその男は云った、「それ、声がするだろう」
風は南なのに、長屋は西南のほう、つまり手前のほうへ倒れていた。ちょうど押している力がゆるんだとたん、北東へかしいでいたのが前のめりになったという感じであるが、耳を近づけてみると、倒れた屋根の下から、人の喚いている声が聞えた。
「手を貸してくれ」と栄二が叫んだ、「人がつぶされてるんだ、早く」
幾人かが駆けよって来た。
「おい、しっかりしろ」と栄二は壊れた建物の下へ向って絶叫した、「いま出してやるぞ、しっかりしろよ」