후리가나로 읽는 일본 고전
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たずねびと
たずねびと
太宰 治의 たずねびと을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,132자 · 14화면
とおしてくれよ、歩かれないじゃないか!」人波をかきわけて、まっすぐに私のところへ来て私のとなりに坐り込みました。この時の、私の気持は、妙なものでした。私は自分を、女の心理に非常に通暁している一種の色魔なのではないかしらと錯覚し、いやらしい思いをしました。ボロ服の乞食姿で、子供を二人も連れている色魔もないものですが、しかし、幽かに私には心理の駈引きがあったのです。他の乗客が、その果物籠をめがけて集り大騒ぎをしているあいだも、私はそれには全く興味がなさそうに、窓の外の景色をぼんやり眺めていたのです。内心は、私こそ誰よりも最も、その籠の内容物に関心を持っていたに違いないのですが、けれども私は、我慢してその方向には一瞥もくれなかったのでした。それが成功したのかも知れない、と思うと、なんだか自分が、案外に女たらしの才能のある男のような感じがして、うしろぐらい気が致しました。
「どこまで?」
おかみさんは、せかせかした口調で、前の席に坐っている妻に話掛けます。
「青森のもっと向うです。」
と妻はぶあいそに答えます。
「それは、たいへんだね。やっぱり罹災したのですか。