후리가나로 읽는 일본 고전
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きつねつき
ちくま日本文学012 中島敦
中島 敦의 ちくま日本文学012 中島敦(きつねつき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,136자 · 19화면
たしかに埃及人だという返辞である。彼はまた不安な表情をして考えに沈んだ。彼は今までに一度も埃及に足を踏入れたこともなく、埃及人と交際をもったこともなかったのである。激しい戦の最中にあっても、彼は、なお、ぼんやりと考えこんでいた。
敗れた埃及軍を追うて、古の白壁の都メムフィスに入城した時、パリスカスの沈鬱な興奮は更に著しくなった。癲癇病者の発作直前の様子を思わせることもしばしばである。以前は嗤っていた朋輩達も少々気味が悪くなって来た。メムフィスの市はずれに建っている方尖塔の前で、彼はその表に彫られた絵画風な文字を低い声で読んだ。そして、同僚達に、その碑を建てた王の名と、その功業とを、やはり、低い声で説明した。同僚の諸将は、皆、へんな気持になって顔を見合せた。パリスカス自身もすこぶるへんな顔をしていた。誰も(パリスカス自身も)、今までパリスカスが埃及の歴史に通じているとも、埃及文字が読めるとも、聞いたことがなかったのである。
その頃から、パリスカスの主人、カンビュセス王も次第に狂暴な瘋癲の気に犯され始めたようである。彼は埃及王プサメニトスに牛の血を飲ませて、これを殺した。