후리가나로 읽는 일본 고전
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つゆのあとさき
つゆのあとさき
永井 荷風
永井 荷風의 つゆのあとさき을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,725자 · 148화면
誰やらが「清子さんは早番でしょう。」という。君江はその通り電話の返事をして硝子戸の外へ出ると、その姿を見て、洋服をきた中年の痩せた男が帳場の台に身を倚せたまま、「君江さん。」と呼留めて、「どうしました。占いは。」
「たった今、見てもらったわ。」
「どうでした。やっぱり男のおもいでしょう。」
「それなら見てもらわなくっても覚えがあるはずじゃないの。もうそんな景気じゃないわ。小松さん。わたし大に悲観しているのよ。」
「へえ。君江さんが……。」と小松といわれた男は円顔の細い目尻に皺をよせて笑う。年はもう四十前後。神田の何とやらいうダンスホールの会計に雇われている男で、夕方六時に出勤する頃まで、毎日懇意なカッフェーを歩き廻って女給の貸間をはじめ、質屋の世話、芝居の切符の取次など、何事にかぎらず女の用を足してやって、皆から小松さん小松さんと重宝がられるのをこの上もなく嬉しいことにしている男である。いや味な事は言わないかわり、お客になって飲み食いもした事がない。以前はどこかの箱屋だともいうし役者の男衆だったという噂もある。君江はこの男から日比谷の占者のことをきいたのである。