후리가나로 읽는 일본 고전
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つゆのあとさき
つゆのあとさき
永井 荷風
永井 荷風의 つゆのあとさき을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,725자 · 148화면
清岡は始めて君江を見た時、女給をした事がないというならば、どこかで芸者をしていた女だろうと想像した。容貌はまず十人並で、これと目に立つ処はない。額は円く、眉も薄く眼も細く、横から見ると随分しゃくれた中低の顔であるが、富士額の生際が鬘をつけたように鮮かで、下唇の出た口元に言われぬ愛嬌があって、物言う時歯並の好い、瓢の種のような歯の間から、舌の先を動かすのが一際愛くるしく見られた。この外には色の白いのと、撫肩のすらりとした後姿が美点の中の第一であろう。清岡はその晩、君江が物言いのしずかなのと、挙動の疎暴でないのを殊更うれしく思って、纏頭は拾円奮発してその帰途をそっと外で待っていた。それとは心づかない君江は広小路の四辻まで歩いて早稲田行の電車に乗り、江戸川端で乗換え、更にまた飯田橋で乗換えようとした時は既に赤電車の出た後であった。清岡は自動車でここまで跡をつけて来たので、そっと車を降り、偶然再会したような振りで話をしかけた。君江は問われてもはっきり住処は知らせなかったが、唯市ヶ谷辺だと答えて、一緒に外濠を逢阪下あたりまで歩いて行く中、どうやら男の言うままになってもいいような素振を示した。