후리가나로 읽는 일본 고전
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つゆのあとさき
つゆのあとさき
永井 荷風
永井 荷風의 つゆのあとさき을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,725자 · 148화면
魔力というのは、生れつき君江の肌には一種の温度と体臭とがあって、別に技巧を弄せずとも一度これに触れた男は終生忘れることの出来ない快感を覚えるという事である。君江はこれまで一人ならず二人ならず、さまざまな男からお前はほんとの妖婦だなどと言われて、自分の肉体はそんなにまで男に強い刺撃を与えるものかと、次第に自覚した後熟練を積み、今では自分ながら深く信ずる所があるようになっている。
四谷駅の降り口近くまで歩いて来た時、君江は急に悲しいような遣瀬のないような表情を見せて、「じゃ、わたし、あんまり我儘をいうとわるいから、ここから円タクで行きますわ。」
「うむ。」とそっ気なく言ったが、清岡は君江の遣瀬なげな様子に気がつくと、その瞬間どうしたのか、昨日今日新に得た恋人と別れるような、何とも知れぬ残り惜しい心持になった。君江はわざとぼんやり清岡の顔を見詰めたまま、日傘の尖で砂利を突きながら立ちすくんでいる。
清岡は何も彼も忘れて寄り添い、「いいよ。休んでしまえ。どこでもいい。一緒に行こう。」
「あなた。ほんとウ。」と君江は巧に睫毛の長い眼の中をうるませて徐に俯向いた。