후리가나로 읽는 일본 고전
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つゆのあとさき
つゆのあとさき
永井 荷風
永井 荷風의 つゆのあとさき을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,725자 · 148화면
「ちょっと用があるんだが、駒田はどうした。まだ帰りゃアしまい。」
「先ほどお帳場で旦那とお話していらっしゃいました。見て参りましょう。」
女中が立ちかけた時、駒田は上着のかくしへ大きな紙入を差込みながら、表梯子を上って来た。駒田は商売の取引ならば待合でもカッフェーでも何処へでも出入りするが、自分では滅多に女など買ったことのない男で、新聞社の営業部に勤めていた頃から株相場や家屋地所の売買に手を出し、今では大分身代をつくり上げたという噂であるが、それにもかかわらず、電車の出来ないむかしから、今以て四谷寺町辺の車さえ這入らぬ細い横町の小家に住んでいる。清岡は駒田の事を爪に火をともす流儀の古風な守銭奴だと思っている。
「駒田君。帰るなら一緒に出よう。まだ時間は早いし、どうせ電車だろう。」
「君はこれから銀座へ廻るのかね。」
「イヤ、彼奴はもう止めだ。君も知っているような始末で、ああ見さかいなしに誰でも御座れじゃ、全く名誉毀損だからな。すこし相談したい事があるんだ。とにかくぶらぶら出かけよう。」
「アラ、ほんとにお帰りなの。」と芸者はさも驚いたような顔をしたが、清岡は見向きもせず、丁度窓際の柱に呼鈴の紐がついていたのを引寄せて、ボタンを押した。