후리가나로 읽는 일본 고전
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つゆのあとさき
つゆのあとさき
永井 荷風
永井 荷風의 つゆのあとさき을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,725자 · 148화면
清岡は女給の君江が最少し乗気にさえなってくれれば、明日といわず即座にカッフェーなり酒場なり開業させようと思いながら、そういう相談には君江ではいかにも頼みにならないところから、いっそ方面を転じて、これぞと思う芸者の見つかり次第、芸者家でも出させて見ようかという気になっている。実はそれらの相談もして見たいと思って、駒田を誘い出したのであるが、駒田は電車が近づくのを見ると、早くも折革包を抱え直して、年寄りのくせに飛乗りでもしかねまじき様子。清岡は忽興がさめて、
「それじゃ失礼。僕はちょっと寄るところがあるから。」
「あした。午後は丸円社にいますから、御用があったら電話をかけて下さい。」と駒田は電車に乗った。
時計を見ると十時である。清岡はこのまま家へ帰れば、さしておそいというでもなく、丁度ほど好い時間だとは思いながら、夜ふかしに馴れた身は、何となく物足りない気がして、もう一軒どこへか立寄ってからでなくては、どうしても足が家の方へは向かない。しかし今時分、丁度酔客の込合う時刻には、銀座のドンフワンなどへは君江との関係もあるところから、うかうか一人では行かれない。