후리가나로 읽는 일본 고전
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ととやぜんたん
とと屋禅譚
岡本 かの子
岡本 かの子의 とと屋禅譚(ととやぜんたん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,874자 · 12화면
商売は其の日の運不運だから、それはまあよいとして、此頃頻りに手詰まって来た金の運転には暗い気持の中に嫌な脅えさえ感じられた。売先からの勘定は取れず、貸越し貸越しになり、それに引きかえ荷方からは頻りに勘定の前借りを申込まれる。小笹屋は河岸でも旧い問屋であり、父親の抜目の無い財産の建て方から、四日市裏の自宅の近所に多少の土地と家作も持ち、金融力と信用はある方だったが、国太郎の代になってからの此の貸借逆調の挟み撃ちには、いつか持ちものを切り縮めて行って、差当り生活の為め必要な現金さえ此頃は妻が気を利かして里方から色々の口実で少しずつ引出して来るものを黙って使い繋いでいる羽目になっていた。
世間は案外敏感で、小笹屋の暖簾も、と噂する陰口は河岸ばかりでなく、遊びつけの日本橋、柳橋あたりの遊里にまで響き、うっかりしたお雛妓の言葉使いにも隠されぬ冷淡さがあった。そこで、近頃はまだ噂の行き亘らぬ吉原方面に場所を変え、そこを取引先との交際場にも、自分の憂さ晴らしにも使うようになった。そして不思議なことには斯ういう羽目になるにつれ、国太郎の大ふうは、ますます増長して、損得の算盤からは遠ざかって行った。