후리가나로 읽는 일본 고전
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
大阪 圭吉의 とむらい機関車(とむらいきかんしゃ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 186,729자 · 371화면
「ええ、お客様はおろか、昨日は郵便物もございませんでした。もっとも、いつだって、此処を訪ねて下さる方は、滅多にございませんが――」
夫人はそう云って先程のあの淋しげな顔色をチラッと見せた。が、すぐに次を続けた。
「……でも確かに、なにかひどく心配なことが起きたに違いございません。それは心配、なぞと云いますよりも、いっそ恐怖とでも申しましょうか……こう、ひどく困った風であちらの別館の方の船室の書斎へ籠りまして、暫く悶えてでもいたようでございましたが、恰度心配してこっそり様子を見に参りました私は、そこで主人の、物に怯えるような独言を聞いたのでございます」
「どんなことです?」
私は思わず急き込んだ。
「はい、あの、恰度私の聞きましたのは、なんでも主人が、こう卓を叩いて、うわずった声で、『明日の午后だ、明日の午后までだ』と、それから低い声で、怯えるように、『きっとここまでやって来る』とそれだけでございますが……それから急に主人は、さもじっとしていられないように立上って室を出て来たのでございますが、恰度そこに立っていました私を見つけますと、一層不機嫌になりまして、いままでついぞ口にしたこともないような卑しい口調で、お前達の知ったことではないと云うように叱りつけるのでございます……でも先生。