일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ひとごろし

ひとごろし

山本 周五郎

山本 周五郎의 ひとごろし을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,607자 · 45화면

아오조라 문고

「あたしがうかがいたいのはそんなことではないんです」とおようが云った、「思いきって云いますけれど、はしたない女だと思わないで下さい」

彼は「そんなことは思わない」と答えた。肝心の話にはいるまでの男女の問答は、およそ紋切り型であるし、退屈至極なものときまっているようだ。そこでその部分をはしょって、本題にはいることにしよう。

「あなたにはもう奥さまがいらっしゃるんですか」とおようがきいた。

「私にですか」と六兵衛はおどろいたように問い返した、「私が隠れもない臆病者だということは、初めての晩に話した筈です、そのため妹は二十一にもなるのに縁談もない、そんな人間のところへ来るような嫁がありますか」

「では結婚なすったことは一度もないんですのね」

六兵衛は黙って頷いた。

「でも」とおようは疑わしげにきいた、「お好きな方の二人や三人はいらっしゃるんでしょう」

「さてね」彼は恥ずかしそうに天床を見た、「家中随一の臆病者と、小さいじぶんから云われどおしでしたから、美しい娘を見ても、いそいで眼をそらしたり逃げだしたり、――私にはこれまで、好きな娘なんか一人もいませんでしたよ」