후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ひとでなし
ひとでなし
山本 周五郎
山本 周五郎의 ひとでなし을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,484자 · 38화면
艶つやしい二の腕が覗いた。ええ結構よ、有難う、とおようは云った。おつねは櫛を拭き、自分の手を拭きながら、三年の余も御厄介になっていて、こんな話をうかがうのは今夜が初めてですね、と云った。
「でもうかがってみると、おかみさんは苦労なんかなすってないようじゃありませんか、餝屋さんの一人娘に生れて、大事にかけて育てられて、津ノ正の方たちに可愛がられて、そうしてこんどは津ノ正のごしんぞさんになるんですもの、苦労なすったにしてもあたしなんぞの苦労とは段も桁もちがいますよ」
「みんなそう思うんじゃないの」
「とんでもない、ほんとにあたしなんぞの苦労とは桁ちがいですわ」
「ひとはみんなそう思うのよ」おようは蒔絵の細い櫛を取って、たばねた髪の根に差しながら云った、「自分は誰よりも仕合せだとか、世の中でいちばん苦労したのは自分だとかって、――他人のことはわかりゃしない、いくらひとの身になって考えたって、その人の傷の痛さまではわかりゃしないでしょ、一生涯つれそった夫婦でも、しんそこわかりあうということはないようよ、それでおさまっていくんだろうけれど、人間てそういうもんだと思うと、悲しくなるわね」