후리가나로 읽는 일본 고전
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ふもれすく
ふもれすく
辻 潤
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N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,833자 · 37화면
殊に中村孤月君などという「新しい女の箱屋」とまでいわれた位に野枝さんを崇拝する人さえ出てきた。
野枝さんのような天才が僕のような男と同棲して、その天分を充分に延ばすことの出来ないのははなはだケシカランというような世論がいつの間にか僕らの周囲に出来あがっていた。
その頃みんな人は成長したがっていた。「あの人はかなり成長した」とか、「私は成長するために沈潜する」とか妙な言葉が流行していた。
野枝さんはメキメキと成長してきた。
僕とわかれるべき雰囲気が充分形造られていたのだ。そこへ大杉君が現われてきた。一代の風雲児が現われてきた。とてもたまったものではない。
先日「中央公論」をちょっと見たら春夫が僕を引き合いに出していた。ラフォルグかなにかの短篇の一節を訳して僕がきかせた時の気持ちを想像して書いたのだが、あれはたしかに記憶にある。聡明な春夫の御推察通りであるが、あの大杉君の『死灰の中より』はたしかに僕をして大杉君に対するそれ以前の気持ちを変化させたものであった。あの中では、たしかに大杉君は僕を頭から踏みつけている。充分な優越的自覚のもとに書いていることは一目瞭然である。