후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
へちまのき
へちまの木
山本 周五郎
山本 周五郎의 へちまの木(へちまのき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 29,120자 · 58화면
――ゆうべはどこで泊ったんだろう、と房二郎は思いあぐねていた。あの女は誰だったんだろう、沢茂で木内と別れたとすると、なか(新吉原)はもちろん知らねえし、女と寝るような場所へは近よったこともねえんだからな。
女中のおかつが昼めしを告げに来たとき、房二郎は「よかったらおまえさんが喰べてくれ」おれはなんにも欲しくはないと云った。絵描きの常さんも彫り師の源さんも、そして摺師の松やんも木内桜谷まで、みんな弁当持ちでかよって来るが、房二郎だけは近所の弁当屋から昼めしを取っていた。ほんとかね、と女中のおかつは赤くなって吃りながら聞き返し、本当に喰べていいと知ると、顔じゅう崩して嬉しそうに微笑し、ありがとうと、吃り吃りおじぎをした。
「このうちじゃあろくな物は食わせないんだ」と木内が云った、「一年じゅう麦めしに漬物、十五日と晦日に味噌汁が一杯、そのときは汁の中のみを皿に取ったのがおかずで、ほかには漬物も喰べさせねえそうだ」
「夫婦も同じなのかね」
「女狐のその日の機嫌によるそうだ」
「嘘のような話だな」と云って房二郎は首を振った、「その記事、手伝おうか」
「むりだな」木内は弁当の包みを開きながら云った、「まおとこの現場を押えた亭主が、女房と男を庖丁で斬ったという話だからな、気分が直ったら写し物を続けてればいいよ」