일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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へちまのき

へちまの木

山本 周五郎

山本 周五郎의 へちまの木(へちまのき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 29,120자 · 58화면

아오조라 문고

喰べたくないときにやる弁当の礼で、このあいだは鯖の味噌煮と煎り豆腐と、菜の胡麻よごしだったけれど、あんなにうまい物を喰べたのは生れて初めてで、喰べながら涙が出てしようがなかった。ということを、吃る者に特有のこまかい表現で語った。

「わかったわかった」と房二郎は遮って云った、「今日のもよければ喰べていいよ、おれは欲しくないからな」

そして礼を云われるのを避けるように、二階の記事部屋へあがっていった。時刻が早いのか、それとも雪のためか、まだ刷り部屋のほうにも人はいなかった。そして彼が自分の机に坐ろうとしたとき、裏の座敷で物を投げる音がし、主婦のおそでのきーっという叫び声が聞えた。

「寄合いだなんて誰が信用するもんか」とおそでが叫んだ、「しとが知らないと思って、ばかにするのもいいかげんにしろ、さあ、ゆうべはどこへ泊って来た、どこのすべたあまと寝て来たんだ、云ってみろ」

「済まなんだ、泊って来たりしてほんまに済まん」と文華の云うのが聞えた、「けど、寄合いは同業のつきあいだし、そのあとだかて、わて独りつきあいから抜けるちゅうわけにはいかんがな、もう帰ろ帰ろと思いながら、つい」