후리가나로 읽는 일본 고전
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まじょりかざら
まじょりか皿
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 まじょりか皿(まじょりかざら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,089자 · 9화면
四丁目で電車を下りると皿の包を脇の下へ抱えてみたが工合が悪い。外套の隠しへねじ込むと蜜柑がつかえるから、また片手でしっかりさげて歩き出した。木枯しが森川町の方から大学の前を渦巻いて来る度に、店ごとの瓦斯燈が寒そうに溜息をする。竹村君はこの空ら風の中を突兀として、忙しそうな往来の人を眺めて歩く。知らぬ人ばかりである。忙しい世間は竹村君には用はない。何かなしに神田で覘いてみた眼鏡の中の大通りを思い浮べて、異郷の巷を歩くような思いがする。高等学校の横を廻る時に振返ってみると本郷通りの夜は黄色い光に包まれて、その底に歳暮の世界が動揺している。弥生町へ一歩踏込むと急に真暗で何も見えぬ。この闇の中を夢のように歩いていると、暗い中に今夜見た光景が幻影となって浮き出る。まじょりかの帆船が現われて蒼い海を果もなく帆かけて行く。海にも空にも船にも歳は暮れかかっている。逝く年のあらゆる想いを乗せて音もなく波を辷って行く。船には竹村君も小さくなって乗っている。紙屋の娘も水々しい島田で乗っている。淋しそうな老母の顔も見える。黙ってじっとしている人々の顔にも年が暮れかかっている。