후리가나로 읽는 일본 고전
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みずぐるま
みずぐるま
山本 周五郎
山本 周五郎의 みずぐるま을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 27,077자 · 54화면
「ああ、――」若尾は眼をみはった、「あんたは、あんたは仙之丞のにいさんじゃないの」
「若ぼう、――やっぱりおめえだったか」
「あんたは権之丞のにいさんね」
若尾は殆んど叫んだ。それは岩本一座で綱渡りをする権之丞と、笠踊りの仙之丞であった。二人もなつかしそうに、微笑しながら若尾の姿を眺めたが、寄って来ようとはしなかった。
「無事にやってるらしいな」と権之丞が云った、「仕合せかい」
「ああよかった、江戸へ来て打ってたのね」若尾は二人のほうへ近よりながら云った、「どこなの、両国の広小路、それとも浅草の奥山、さあ、いっしょにゆきましょう、伴れてってちょうだい」
「いやいけねえ、それはだめだ」
「それはだめなんだ、若ぼう」と仙之丞も云った、「そんなことをしたら親方にどやされる。途中で見かけても声もかけちゃあならねえって云いわたされているんだ」
「あたしが薄情に出ていったからなの」
「若ぼうの身のためだからさ」と権之丞が云った、「おめえは薄情で出てったんじゃねえ、おめえが泣いていやがったことは、みんなが知ってるよ」
「そんなら伴れてって」若尾は云った、「あたしはお邸を出て来たの、ゆくところもないしお邸へ帰れもしないのよ」