일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

もののかげ

ものの影

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 ものの影(もののかげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,794자 · 18화면

아오조라 문고

田中さんは彦一の方へ眼を向けず、誰に言うのか分らない調子で言った。

「たいへん立派な、石の燈籠が、この辺にあって、地面に埋ってる筈です。その恰好といい、苔のつき工合といい、なかなか、ほかでは見られません。」

「地面に埋ってるんですか。」

「誰も盗んでいった者はない。私だけが知ってることです。」

「それじゃあ、空襲前には、あなたはここに住んでたんですか。」

「住んではいなかったが、私だけが知ってることで、誰にも分りゃしません。」

それきり、話が途切れた。田中さんは煙草を取り出し、彦一にも一本すすめた。

その煙草を、半分ばかり吸ってるうちに、彦一は突然、吐き出すように言い出した。

「あの一本松の、葦の茂みの中に、中華ソバ屋の小僧が、殺されていましたね。」

草の中からは、松だけしか見えなかった。

「石で頭を打ち割られていましたね。」

田中さんはただ頷いてみせた。

「誰があんなことをしたか、御存じですか。いや、あなたに分る筈はない。警察にも分ってはいない。だが、私は知ってるんですよ。私だけが知ってるんです。なぜなら、私がしたんですから。」

「ほう、あなたがね。」

無関心らしい返事だった。