일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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わがまち

わが町

織田 作之助

織田 作之助의 わが町(わがまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 93,840자 · 186화면

아오조라 문고

してみれば、蝶子も今は何ひとつ遠慮気兼ねや生活の心配はないとはいうものの、心はからりと晴れ切っているわけでもないだろうと、君枝は蝶子が日頃陽気な明るい気性であるだけに、一層蝶子の淋しさが同情されるのだった。

文楽座の前まで来たのでもう蝶子の話を打ち切った。

ところが、文楽座は人形芝居はかかっていず、古い映画を上映しているらしく、映画のスティールが陳列されていた。人形芝居は夏場の巡業で東京へ行っているとのことだった。

「なんのこっちゃ。折角大阪へ来て文楽でも見よういう気になったのに、これやったら、わざわざ大阪で見なくても、東京に居れば結構見られた勘定やな」

次郎はちょっとがっかりした。

「――活動でも見る」

「今日は紋日で満員でしょう?」

君枝は見る気がないらしかった。

なんだかこのまま別れて帰ってしまいたいように思っているらしく見えて、次郎はますますがっかりしたが、ふと想いだして、眼を輝かした。

「そや、良いものがある。あんたの喜ぶもん見せたげよ」

「どんなもん? うちの喜ぶもんて……」

「黙って随いといぜ。ついこの近所や。僕昨日見て、ああ、これをお君ちゃんに見せたげたら喜ぶやろと、ほんまに思ったんや」