후리가나로 읽는 일본 고전
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わがまち
わが町
織田 作之助
織田 作之助의 わが町(わがまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 93,840자 · 186화면
大体、あんたは昔からおっちょこちょいやさかい、気イつけて、阿呆な真似をしなはんなや」
西日のかんかん射し込む奥の四畳半に敷いた床の上で、蚊細い声の意見をして、息絶えた。
夏になると、しきりに比律賓への郷愁にかり立てられる他吉の腹の虫を、お鶴は見抜いていたのだろうか。
お鶴の死に足止めされて、八年が経った。
一日何里俥をひいて走っても、狭い大阪の町を出ることは出来ないと、築港へ客を送るたび、銅羅の音に胸をどきどきさせているうちに、もう娘の初枝は二十一歳であった。
節分の日、もうその歳ではいくらか気がさす桃割れに結って、源聖寺坂の上を、初枝が近所の桶屋の職人の新太郎というのと、肩を並べて歩いている姿を、他吉は見つけた。
すぐ寺の境内に連れ込み、新太郎の横面を殴りつけた勢いで、初枝の顔にも手が行ったが、折角の髪をつぶしてはと、この方はさすがに力を抜いて、他吉の眼がさきに火が出るくらい、情けなかった。
こんな不仕鱈(ふしだら)な女をひとり放って置いて、比律賓へ行ってしまえば、どうなっていたことかと、他吉はひやっとしたが、間もなく行われた町内のマラソン競争で桶屋の新太郎は一等をとった。