일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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わがまち

わが町

織田 作之助

織田 作之助의 わが町(わがまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 25,869자 · 52화면

아오조라 문고

もぐさが一番よく売れるという。八百屋の向いに八百屋があって、どちらも移転をしなかった。隣の町に公設市場が出来ても、同じことであった。一文菓子屋の息子はもう孫が出来て、店にぺたりと坐って一文菓子を売るしぐさも、何か名人芸めいて来た。散髪屋の娘はもう三十二才で、嫁に行かなかった。年中一つ覚えの「石童丸」の筑前琵琶を弾いていた。散髪に来る客の気を惹くためにそうしているらしく、それが一そう縁遠い娘めいた。相場師も夜逃げしなかった。落語家も家賃を五つためて、十年一つ路地に居着いていた。

路地は情けないくらい多く、その町にざっと七八十もあろうか。いったいに貧乏人の町である。路地裏に住む家族の方が、表通りに住む家族の数よりも多いのだ。地蔵路地はLの字に抜けられる八十軒長屋である。なか七軒はさんで凵の字に通ずる五十軒長屋は榎路地である。入口と出口が六つもある長屋もある。狸裏といい、一軒の平屋に四つの家族が同居しているのだ。

銭湯日の丸湯と理髪店朝日軒の間のせまくるしい路地を突き当ったところの空地を凵の字に囲んで、七軒長屋があり、河童路地という。その空地は羅宇しかえ屋の屋台の置場であり、夜店だしの荷車も置かれ、なお、病人もいないのに置かれている人力車は、長屋人の佐渡島他吉の商売道具である。