후리가나로 읽는 일본 고전
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ココナットのみ
ココナットの実
夢野 久作
夢野 久作의 ココナットの実(ココナットのみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,448자 · 35화면
その垂幕の間から、隣りの化粧部屋と、その向うの白い浴槽がホノ暗くのぞいている。浴槽の向うには鏡の屏風が立っている。そんなものの隅々にピカピカチカチカ光っている金銀だの、瀬戸物だのの装飾が、一ツ一ツにブルドッグ・オヤジ……妾の旦那になっている赤岩権六の金ピカ趣味をサラケ出していた。見れば見るほど淋しい、つまんないものばかりだった。
そのブルドッグ・オヤジの赤岩権六は、ゆんべ夜中に急用が出来て、諏訪山裏の本宅の白髪婆のところへ帰った。だから妾は今朝、一人ぼっちで眼を醒したのだった。
だけど妾がコンナに淋しいのはブル・オヤジが居ないせいじゃなかった。ブル・オヤジが百人出て来たって、妾の気持ちを、とり直すことなんか出来やしなかった。今までだってそうだった。今もそうに違いなかった。
妾はタッタ一人でベッドの上に長くなったまんま、暗いところへグングン落ち込んで行くような気もちになっていた。
妾はいつの間にか枕元のベルを押したらしい。入口の横の垂れ幕を押し分けて、コックのハラムがノッソリと這入って来た。
ハラムは印度人の中でも図抜けの大男だった。背の高さが二米突ぐらいあって左右の腕が日本人の股とおんなじ大きさをしていた。