후리가나로 읽는 일본 고전
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ジャンのものがたり
ジャンの物語
宮本 百合子
宮本 百合子의 ジャンの物語(ジャンのものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,273자 · 13화면
である。
ジャンは、この文章の中に父の名を書いていない。ただ、亡命ロシア人、作家としてパリに生活しているそうだとだけ云っている。父の名を全く知らないのだろうか。或はいやな心持からわざと書かないのか。それは私たちに分らない。母の名も同様である。
レフ・トルストイには八人の男の子と三人の娘とがあった。そのうち四男、七男、八男の三人は夭折した。残った五人の息子たちのうちの誰が、ジャンの父であったのだろう。ジャンを十三まで育てて亡くなったお祖母さん、唯一の肉親の思い出として語られているオリガ・ソルスキーという老婦人の身元もよくわからない。大方、激しい夫婦喧嘩の末離婚したという母のおっ母さんに当るひとででもあったのだろうと思われる。祖父トルストイの妻はソフィヤ・アンドレーエウナと云って、宮廷医ベルスの娘であったのだから。
レフ・トルストイが、ヤスナヤ・ポリャーナの村荘にロシア名門の伯爵の長男として生れたのは一八二八年のことであった。トルストイも八歳で孤児になった。非常に人物の傑れた叔母に育てられ、その没後数年は当時のロシアの富裕で大胆で複雑な内的・社会的要素の混乱の中におかれている青年貴族、士官につきものの公然の放縦生活を送った。