후리가나로 읽는 일본 고전
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
辻村 伊助의 スウィス日記(スウィスにっき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 216,275자 · 410화면
羅馬のラクス・ラリウス Lacus Larius はコモの湖で、イル・ラリヨ Il Lario とも呼ばれておる。アルピ Alpi の、南をめぐる北イタリヤの湖水のうちで、殊に美しいと称えられるこの湖は、北は一つ、南は、右ひだりに枝分れして、ちょうど、琴柱の形をしている、そのまんなかにはさまれた岬はヴェラージオで、コモの町は、西南端で、ミラノからとっつきにあたる。
町に着いたのはまだ日の高い頃で、うら寒い風に吹かれて、白樺の若葉のそよぐ、山また山の折り重なった脚もとに、ぴかっと光るみずうみを瞰下ろした時、今まで、南欧の旅に見ることもできなかったなつかしさを、深く感じたのである。迎いに来ていた自動車で、古ぼけた町をぬけて、ピヤッツァ・デル・ドゥオモへ出ると、まもなくグランド・ホテル・プリニウスに着いた。
室がきまると、すぐ窓を明け放してみずうみに対う。コモの町は湖水のとっつきで、両側の山が急にせまって、水は池のように、ちいさく入り込んだ、南の端を見るだけで、何だか鼻がつかえるような気がしたが、その、冬枯の木立もまじる山の裾に、雪の象徴とおもう白樺の幹の、まともに、雲透きの夕日をうけた美しさ、岸の落葉松には、霧を吹っかけたように柔かく緑が萌えて、水に沿うたヴィルラには、石楠木がもう咲きかけている。