후리가나로 읽는 일본 고전
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
辻村 伊助의 スウィス日記(スウィスにっき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 216,275자 · 410화면
南の果てに口を開いた、グラールスの谷のとっつきまで、ほとんど高低は見られない。雪は野の遠近に配置された、ポプラ、白樺の、枝ごしに仰がれて、この雪を繞らした花の野に、クラリヨンが響くのである。
私の故郷では、波うちぎわを南にして、西から北へかけてぐるっと取り囲む山の斜面は、柑橘の茂った段畑が、下手な理髪師に刈り込まれたように重なり合って、東は町はずれからすぐ稲田になっている、その刈田や段畑のあちこちに、紫雲英、菜の花などが咲き初めても、「春の野」と云う感じはまるで起らない、赤城、戸隠の原、或は立山の室堂の高原や、雲の平、五色ヶ原なども、それぞれ趣の異なった景色ではあるが、マドリガル Madrigal を耳にした瞬間に感ずるなつかしさとは、全然趣を異にしておる、シモネッティに於ても同様である、ヴァンサン・ダンディに於ても同様である、またはタンホイゼルの序幕に唱われる、牧童の歌やそのシャルメルの曲も、ナポリの夕に波の黄昏曲がふさわしいように、こう云う山国の雪に近い、春の牧に初めて、想像と合一した景色が求められるのだ。
日は次第に傾むいて、ブリュンネリ・シュトック Br※(ダイエレシス付きU小文字)nnelistock の頂に落ちてゆく。