후리가나로 읽는 일본 고전
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
辻村 伊助의 スウィス日記(スウィスにっき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 216,275자 · 410화면
グリンデルワルトの村の灯は、ちらちらまたたいて、その度ごとに、灯火の数が増してゆくように思われる、もう風も吹かない、夜は静かに渓から湧いて、この一軒家を包んでしまうと、昼は気にもとめなかった、アイガーグラートの絶壁の、氷を割って辷り落ちる小滝の、かすかな響が、何か意味のある、私達にも了解のできそうな、話声のように聞きとられた、その言葉は、或る時は耳もとにそっとささやくように、とするとまた森を距てた行人の声のように遠のいてゆく。
私達が、ほかほかする食堂のストーヴの側をぬけて、怪しげな板張りの梯子段を恐る恐る上って、寝室と定められた室に這入った時は、もう八時過ぎであった。荒造りの天井の低い、板敷には別に何も敷いてない粗末な室に、二人とも、はすっかけに向き逢った寝台に寝ころんで、別に話をするでもなく、ぼんやりした時は、いやに陰気な感じが起った。ナハト・ティッシュの上には、ただでさえ暗い蝋燭が妙にため息をついて、その度に、私達は寝床ごと、クレヴァースの中に沈んでゆくような気がする、二人とも申し合わせて、思い切って灯を吹き消すと、カーティンも無い硝子窓から、蒼い星明りが、吸い込まれるように流れ込んで来た。