후리가나로 읽는 일본 고전
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
辻村 伊助의 スウィス日記(スウィスにっき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 216,275자 · 410화면
ない、まあ頂上迄登ったのがせめてもで、斯うなったらあきらめるより外に仕方がない。もう一つの窓からは、フィンシュテラールホルンが見える、日に向かうから眩しくて、ぼんやり一様に真っ白に光るなかに、氷のぎざぎざが、一きわ白く浮き出してるだけで、此のまま、山が半空に融け込んでしまうんでは無いかとも疑われる。
全体ならば、今ごろはグロース・ラウテラールホルンの頂上で、思うさま写真でも撮してる頃だが、フィルムの十六本が、三分の二も残ってるのに、片腕利かないので、この天気にも撮すことさえ出来ない。そのうちに、後れて村を出た人夫がやって来る、小屋はがやがや騒々しくって、ちっとも山の中らしくない。昼飯なんか、食ったんだか抜きにしたんだか、今もって思い出せないくらい逆せ上った。
そのうちに人夫も揃い、支度も出来て、いよいよ出発となったが、小屋には担架が二つしかない、足の利かないヘッスラーと近藤君がそれに入れられて、私はフォイツと一緒に、ゆっくり歩いて下ることにした、そこで皆より少し早や目に小屋に別れて、がらがらの石の上に出ると、もう腰縄で、荒くれたガイドが縄尻を握って附きそった所、どう欲目に見ても罪人、これからシベリヤに流し者ぐらいにしか受け取れない。