후리가나로 읽는 일본 고전
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ドグラ・マグラ
ドグラ・マグラ
夢野 久作
夢野 久作의 ドグラ・マグラ을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 424,847자 · 824화면
もっとも運が悪くて夭死にしたために、名前も描いたものも余り残っていない。前にも云った通りその頃の記録には勿論の事、近頃の年代記類にも記載してあるにはあるが、書物によって年代や名前が少し宛違っていて、確実なところはわからないようになっている。しかし、何しろここに詳しい事を記載した実物の証拠があるんだから、将来の史学家はイヤでもこの方を本当にしなければなるまいて」
「そうするとその絵巻物はトテモ貴重な参考史料なんですね」
「貴重などころの騒ぎじゃない……ところで話はすこし前に帰るが、その青年進士呉青秀は、天子の命を奉じてスケッチ旅行を続けている間がチョウド六年で、久し振りの天宝十四年に長安の都に帰って来ると、そのお土産の風景絵巻が、頗る天子の御意に召して、御機嫌斜ならず、芸術家としての無上の面目を施した上に、黛子さんという別嬪の妻君を貰った。おまけにチョウド水入らずで暮せるような、美しいお庭付きの小ヂンマリした邸宅を拝領したりして、トテモ有り難い事ずくめだったので、暫くは夢うつつのように暮していた訳だね。ところがその中に、だんだんと落ち付いて来ると、時恰かも大唐朝没落の前奏曲時代で、兇徴、妖、頻々として起り、天下大乱の兆が到る処に横溢しているのに気が付いた。