후리가나로 읽는 일본 고전
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ニッケルのぶんちん
ニッケルの文鎮
甲賀 三郎
甲賀 三郎의 ニッケルの文鎮(ニッケルのぶんちん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,523자 · 37화면
やっと鎖が外れると、ほらあの金で出来た磁石によく蓋がついているでしょう。あれなのよ。それでなかなか蓋が開かないの。検事さんはとうとう癇癪を起こして、下村さんか内野さんかを呼ぶつもりでしょう。壁に取りつけたポッチを一生懸命に押し出したの。呼び鈴のつもりなんでしょうけれども、あれは電灯のスイッチなんですもの。誰も来る気遣いはないわ。年寄りの癖に新式のスイッチを知らないんでしょうかね。あたし教えて上げようかと思っているうちに、やっと磁石の蓋が開いたの。
『えーとこっちが北で、こっちが西と、この隅です』と机の置いてある真後ろの隅を指したの。お爺さんはやっと壁の手を放して、その隅へ大急ぎで行ったわ。それから二人で一つ一つ羽目板を揺すぶったけれどもビクともしやしないわ。とうとう諦めて私に書生を呼んでくれといったの。あたしが内野さんと下村さんを連れて帰って来ると、検事さんが『君、西北というのはこの隅ですね』と今まで探していた隅を指したの。二人は、――やっぱり男は偉いわね、――すぐに『いいえこの隅です』と机とちょうど反対の隅を指したわ。
『君は一体何を見たんだ』と検事さんが怒鳴ったの。