일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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パノラマとうきだん

パノラマ島綺譚

江戸川 乱歩

江戸川 乱歩의 パノラマ島綺譚(パノラマとうきだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 78,920자 · 153화면

아오조라 문고

ものもないのでした。

廣介には、云うまでもなく、この千代子の悲しみが、分り過ぎる程分っていました。多くは、沖の島の事務所に寝泊りをするのですが、時たま邸に帰っても、妙に距てを作って、打ちとけて話合うでもなく、夜なども、殊更ら部屋を別にして寝む様な有様でした。すると、大抵の夜は隣の部屋から、千代子の絶え入る様な忍び泣きの気勢がして、でも、それを慰める言葉もなく、彼も亦、泣き出したい気持になるのがお極りなのです。

仮令陰謀の暴露を恐れたからとは云え、この世にも不自然な状態が、やがて一年近くも続いたのは、誠に不思議と云わねばなりません。が、この一年が、彼等にとっての最大限でありました。やがて、ふとしたきっかけから、彼等の間に、不幸なる破綻の日がやって来たのです。

その日は、沖の島の工事が、殆ど完成して、土木、造園の方の仕事が一段落をつげたというので、重だった関係者が菰田邸に集り、一寸した酒宴を催したのですが、廣介は、愈々彼の望みを達する日が近づいたというので、有頂天にはしゃぎ廻り、若い技術者達もそれに調子を合せて騒いだものですから、お開きになったのはもう十二時を過ぎていました。