후리가나로 읽는 일본 고전
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ボニンとうものがたり
ボニン島物語
久生 十蘭
久生 十蘭의 ボニン島物語(ボニンとうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,772자 · 41화면
天明二年の冬は、前後を通じて夏のように暖かかった。十一月に少々凍ったが、これも寒に入ると解け、ちょうど、三、四月頃の気候であった。
翌、癸卯三年の正月になると、いくらか寒さが加わったが、間もなくそれもゆるみ、北国にありながら、三月の末ごろまで寒さを知らずにすごした。
四月に入り、麦の実入り時になると、毎日、北風ばかり吹き、極寒のように氷雨が降りつづいた。四月から八月末まで百五十日のうち、雨の降らない日はわずかに二十日、それも薄曇りか霧雨で、晴天というものはただの一日もなかったので、総体に麦は熟さず、刈取りを遅らせたが、ほとんど実成りはなかった。
気候の不順は夏になっても立直らず、七月すぎに藤、山吹などが返り吹き、山々は春よりもさかんな花のながめになった。十月下旬まで蝉が鳴きやまず、十一月に筍が出そめ、九輪草、唐葵などは、四度も五度も花をつけた。
稲は七月のすえになっても穂が出ない。たまさかの穂は、葉のうちに隠れて花もかからず、それさえ百分の一というのに、大豆、稗、粟、蕎麦のたぐいは、八月十三日の大霜に逢い、一夜のうちに全滅してしまった。
南部領、盛岡の城下から東南、南部米の米所で作毛三分二厘五毛、西の方、山つづきの場所は青立も見られず、七戸以北、北郡一帯は稗、粟もない。