후리가나로 읽는 일본 고전
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
梅崎 春生의 ボロ家の春秋(ボロやのしゅんじゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,411자 · 263화면
ぼくはわらうだけで、原則として返事をしない。返事する必要がないし、すれば事がけばだつだけのことですから。――その返事をしないことだけでも、ぼくは変人ということになっているらしい。変人というよりは、もっとひどいことが、陰の形で流布されている気配もある。面と向ってはっきりと言う人はあまりないようですが。
「あんな棺桶みたいな家に、ひとりでガマガエルみたいに住んでいるから、病気になるんだよ」
ぼくの画室は離れの古家を改造して、天井を高くした関係で、ちょいと見には四角な形をしています。しかし棺桶みたいに細長くはない。
「わしが魚釣りに行く時、誘ってやるから、いっしょに来なさい。君はもっと日光に当る必要がある。鬱屈しちゃいかん。なに、釣竿は用意しないでもいい。うちにあるのを貸して上げる」
そう言って呉れるのは、町内に住む赤木医師です。赤木さんはもう六十を越えた、でっぷり肥った医者で、何でもアメリカに渡って苦学力行して、医術を勉強したんだそうです。当人の言ですが、町内の一部にはちょっと眉つばだという噂もある。出身は北国の寒村で、ぼくの画室を棺桶みたいだというのは、あながちこじつけではなく、子供の時に見た座棺を連想するのかも知れません。