일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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マダムさだやっこ

マダム貞奴

長谷川 時雨

長谷川 時雨의 マダム貞奴(マダムさだやっこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 26,999자 · 53화면

아오조라 문고

その上、咎められたのが好都合になって様々の好誼をうけ、行手の海の難処なども懇篤に教え諭され、鄭重なる見送りをうけて外洋へと漕出した。

四

それからの、貞奴となるまでの記憶の頁は、涙の聯珠として、彼女の肉体が亡びてしまっても、輝く物語であろう。遠州灘の荒海――それはどうやらこうやら乗切ったが、掛川近くになると疲労しつくした川上は舷で脇腹をうって、海の中へ転げおちてしまった。船は覆ってしまった。奴は咄嗟にあるだけの力を出して、沈んだがまた浮上った夫を背にかけて、波濤をきって根かぎり岸へ岸へと泳ぎつき、不思議に危難はのがれたが、それがもとで川上は淡路洲本の旗亭に呻吟する身となってしまった。その報をきいて駈付けた門弟たちは、師の病体を神戸にうつすと同時に「楠公父子桜井の訣別」という、川上一門の手馴れた史劇を土地の大黒座で開演した。それが土地の気受けに叶い、神戸における楠公様の劇である上に、川上の事件は当時の新聞が詳細に記述したので、人気は弥がうえにと添い、入院費用はあまるほど得られた。川上の恢復も速かであった。とはいえ、川上は健康を恢復すれば、またも行方定めぬ波にまかせて、海の旅に出ると言ってきかなかった。