후리가나로 읽는 일본 고전
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ラしのふえ
ラ氏の笛
松永 延造
松永 延造의 ラ氏の笛(ラしのふえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,706자 · 18화면
そして立ち上りざま、青年の手からは笛を、机の上から花束を、一時に取り上げて、幾度も深くうなずいた。
六
ラ氏の心持ちが段々と穏かなものに変化して行った時、却って、彼れの身体が疲弊を増すのみとなったのは悲しむ可き事である。
退院の予定は全くくつがえされた。然も最早一銭の貯えをも彼れは持ち合していなかった。
院長はラ氏の経済状態を十分観察し、その上、もう余命が長くないらしいのを了解して、彼れを施療部へ移す事を承諾した。
若しこの世に、天国と地獄とを兼ね具えたものがありとすれば、それは確かに施療室である。
何故なら、其処では救助と残虐とが、日を同じゅうして行われるからである。
死と向い合って坐する幾日を、ラ氏はこの苦しい施療室で過し、曽て住みなれた三等室に憧憬の心を寄せ通した。
彼れは金銭を全部失った日から、又急激に痩せ初めた。この事は人と物質との微妙な関係を我れ我れへ承認せしめるに十分だった。
斯うして彼れは再び血を吐く機会に行き会った。彼れはそれを「生命の支払い期」と戯れて呼んだ。
ある時の如きは、止め度なく口から血が垂れるにも拘らず、彼れは態と身体の安静を破って、烈しく起き上り、声を立てて、天へ祈りを上げ初めた。