후리가나로 읽는 일본 고전
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いちのくらさわしょうめんのとうはん
一ノ倉沢正面の登攀
小川 登喜男
小川 登喜男의 一ノ倉沢正面の登攀(いちのくらさわしょうめんのとうはん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,722자 · 12화면
そこの裂罅は五十度あまりの傾斜なので十ほどステップを切って雪渓の表面へ出た。
ブロックを使った事に対し、何かしら得をしたような気持になってすっかり気をよくした三人は、昨夜の不愉快な蚊の事や、寝不足も忘れて、上部の雪渓を調子よく登って行った。雪渓の傾斜は段々増し、その最上部は相当急でもあり、表面が融け固ったのか、あるいは激しい雪崩の圧力のためか、氷のように蒼白く光っていて靴鋲が充分喰込まないような所もあって、ピッケルを持たない二人のために二、三度確保したりする。雪渓の最後は巨大な雪塊が群立ち、写真で見る氷河の感を与えて自分たちを喜ばす。この小さいセラックスのような間を抜け出て、ようやく奥壁の岩場の最下端に達する事の出来たのは八時半頃であった。これから上は見上るかぎり傲頑な岩壁である。僅かな休息の時を採ると、直ちにすぐ上に拡っているなめたような一枚岩の大きな岩場を、縦に走っている岩の節理に導かれながら登って行く。
この一枚岩のきれいに磨かれた岩場は、三十度あまりの傾斜なので、気持よくぐんぐんと登り、さして困難なところもなく程なく百米ほど上の台地に達した。