일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

いちや

一夜

夏目 漱石

夏目 漱石의 一夜(いちや)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,011자 · 13화면

아오조라 문고

「ありがとう」と云う女の眼の中には憂をこめて笑の光が漲ぎる。

この時いずくよりか二疋の蟻が這い出して一疋は女の膝の上に攀じ上る。おそらくは戸迷いをしたものであろう。上がり詰めた上には獲物もなくて下り路をすら失うた。女は驚ろいた様もなく、うろうろする黒きものを、そと白き指で軽く払い落す。落されたる拍子に、はたと他の一疋と高麗縁の上で出逢う。しばらくは首と首を合せて何かささやき合えるようであったが、このたびは女の方へは向わず、古伊万里の菓子皿を端まで同行して、ここで右と左へ分れる。三人の眼は期せずして二疋の蟻の上に落つる。髯なき男がやがて云う。

「八畳の座敷があって、三人の客が坐わる。一人の女の膝へ一疋の蟻が上る。一疋の蟻が上った美人の手は……」

「白い、蟻は黒い」と髯がつける。三人が斉しく笑う。一疋の蟻は灰吹を上りつめて絶頂で何か思案している。残るは運よく菓子器の中で葛餅に邂逅して嬉しさの余りか、まごまごしている気合だ。

「その画にかいた美人が?」と女がまた話を戻す。

「波さえ音もなき朧月夜に、ふと影がさしたと思えばいつの間にか動き出す。長く連なる廻廊を飛ぶにもあらず、踏むにもあらず、ただ影のままにて動く」