일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いっぽんのはな

一本の花

宮本 百合子

宮本 百合子의 一本の花(いっぽんのはな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 26,709자 · 55화면

아오조라 문고

「だからね、私だって、ただ月給九十円貰って、あてがわれた雑誌の編輯が出来るだけじゃ、生きてもいないんだし、職業も持ってるんじゃないのよ――どんな雑誌を何故編輯するのか、そこまではっきりした意志が働いて、やっと人間の職業と云えるんだろうけれど……」

大平が、例の目から一種鋭い、朝子を嘲弄するのか自分を嘲笑うのか分らない強い光を射出しながら呟いた。

「――朝子さんのお説によると、じゃあ、我々会社員の仕事なんていうものは、要するに月給を引き出す石臼廻しみたいなもんかな」

彼の微かな皮肉を正直に受け、朝子は非常に単純に、

「そうかも知れないのよ」

と答えた。

やがて、朝子は生来のぴちぴちした表情をとり戻して、云った。

「私、何、働いて食っているぞって、実はちょっと得意でなくもなかったんだけれど、どうも怪しくなって来たわ、この頃。今に私が本当に自分の雑誌創ったら、大平さん読者になって頂戴」

これは実際問題として、朝子の心に育ちかけていることなのであった。

幸子は机に向って、明日の講義の準備をしていた。こちらで、大平は朝子と低声で話していた。朝子は、編物を手にもっていた。