후리가나로 읽는 일본 고전
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いちまいのきっぷ
一枚の切符
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 一枚の切符(いちまいのきっぷ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,503자 · 27화면
で、結論はこういうことになる。眼の上の瘤であり、恋の邪魔者であり、手におえぬ狂気である所の夫人を、なきものにしよう。而かも博士である自分の名誉を少しも傷けぬ方法によってそれを遂行しようと深くもたくらんだ博士は、薬と称して一種の毒薬を夫人に飲ませ、うまく参ったところを、肩に担いで、例の短靴をつッかけて、裏口から、幸にも近くにある鉄道線路へと運んだ。そして犠牲者の懐中へ用意の尤もらしい書置を入れて置いた。やがて轢死が発見されると大胆なる罪人は、さも驚いた表情を以て、現場へ駈けつけた。とこういう次第だ。何故に博士が夫人を離別する挙に出でないで此危険なる道を採ったかという点は、多分新聞記者自身の考えなのだろうが、ある新聞にこう説明が下してあった。それは第一に故老博士に対する情誼の上から、世間の非難を恐れたこと、第二にあの残虐を敢てする博士には、或はこの方が主たる理由であったかも知れないが、博士夫人には親譲りの一寸した財産があったということ、この二つを上げている。
そこで、博士の引致となり、黒田清太郎氏の名誉となり、新聞記者にとっては不時の収穫となり、学界にとっては一大不祥事となって、君も云う様に、世間は今この噂で湧いている始末。