후리가나로 읽는 일본 고전
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ひとあしおさきに
一足お先に
夢野 久作
夢野 久作의 一足お先に(ひとあしおさきに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 40,200자 · 79화면
そこで耳を澄まして扉を開くと、幸い誰も居ない様子なので、大急ぎで廊下へ出た。そうして元来た道とは反対に、賄場の前の狭い廊下から、近道伝いに自分の室に帰ると、急にガッカリして寝台の上に這い上った。枕元に松葉杖を立てかけたまま、手足を投げ出して引っくり返ってしまった。
久しく身体を使わなかったせいか、僅かばかりの散歩のうちに非常に疲れてしまったらしい。私は思わずグッスリと眠ってしまった。しかし余り長く眠ったようにも思わないうちに眼を醒ますと、いつの間にか日が暮れていて、窓の外には青い月影が映っている。その光りで室の中も薄明くなっているが、青木はまだ帰っていないらしく、夜具を畳んだままの寝台の上に、私の松葉杖が二本とも並べて投げ出してある。大方、私が眠っているうちに看護婦が来て、室の掃除をしたものであろう。
いったい何時頃かしらんと思って、枕元の腕時計を月あかりに透かしてみると驚いた……四時をすこしまわっている。恐ろしくよく寝たものだ。ことによると時計が違っているのかも知れないが、それにしても病院中が森閑となっているのだから、真夜中には違い無いであろう。