후리가나로 읽는 일본 고전
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ひとあしおさきに
一足お先に
夢野 久作
夢野 久作의 一足お先に(ひとあしおさきに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 40,200자 · 79화면
「医員の命令に服従すべし」とか「許可なくして外泊すべからず」とか「入院料は十日目毎に支払うべし」とかいう、トテモ旧式な文句であったが、それを見ているうちに私はスッカリ吾に還る事が出来た。
私はこの春休みの末の日に、この外科病院に入院して、今から一週間ばかり前に、股の処から右足を切断してもらったのであった。それは、その右の膝小僧の上に大きな肉腫が出来たからで、私が母校のW大学のトラックで、ハイハードルの練習中にこしらえた小さな疵が、現在の医学では説明不可能な……しかも癌以上に恐ろしい生命取りだと云われている、肉腫の病原を誘い入れたものらしいという院長の説明であった。
「ハッハッハッハッ………どうしたんですか。大層唸っておいでになりましたが。痛むんですか」
今しがた私を揺り起した青木という患者は、こう云って快闊に笑いながら半身を起した。私も同時に寝台の上に起き直ったが、その時に私はビッショリと盗汗を掻いているのに気が付いた。
「……イヤ……夢を見たんです……ハハハ……」
と私はカスレた声で笑いながら、右足の処の毛布を見た。……がもとよりそこに右足が在ろう筈は無い。