후리가나로 읽는 일본 고전
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 三浦老人昔話(みうらろうじんむかしばなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 113,637자 · 224화면
こうと知ったら奉公などに出すのではなかった。」
高松さんは時々に顔をしかめて、御新造に話すこともありました。そのうちに六月の末になる。旧暦の六月末ですから、土用のうちで暑さも強い。師匠によると土用休みをするのもあるが、高松さんは休まない。きょうも朝の稽古をしまって、汗を拭きに裏手の井戸端へ出ました。場末の組屋敷ですから地面は広い。うらの方は畑になって矢はり唐蜀黍などが栽えてある。その畑のなかに白地の単衣をきた女が忍ぶように立っている。それがお近さんであることは、高松さんにはすぐに判ったのですが、向うでは些とも気が注かないで、何か一心に読み耽っているらしい。以前ならばそのまゝに見過してしまったのでしょうが、此頃はひどく信用を墜しているお近さんがわざ/\畑のなかへ出て、唐蜀黍のかげに隠れるようにして何か読んでいる。それがお父さんの注意をひいたので、高松さんは抜足をして竊とそのうしろへ廻って行きました。
日を避け、人目をよけて、お近さんが唐蜀黍の畑のなかで一心に読んでいたのは例の写本の一冊でした。こんなものが両親の眼に止まっては大変ですから、お近さんは自分の葛籠の底ふかく秘めて置いて、人に見付からないようなところへ持ち出して、そっと読んでいる。