일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ぼしぞう

久生十蘭短篇選

久生 十蘭

久生 十蘭의 久生十蘭短篇選(ぼしぞう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 48,344자 · 96화면

아오조라 문고

と、中門口に立ちはだかって、無類の大音声で見参する。稚気をおびた嫌がらせにすぎないが、輿入れや息子の袴着祝などにやられると災難で、大祓をするくらいでは追いつかないことになる。

泰文は中古の藤原氏の勇武をいまに示すかのような豪宕な押出しで、とりわけ声の大きいので音声大蔵といわれていたが、一般に、泰文という人間から受ける印象は底知れない薄気味悪いもので、逢魔ヶ時のさびしい辻などではあまり逢いたくないような、なんともつかぬ鬼気を身につけていた。外道頭といって、大入道で、手足が草の茎のように痩せた化物が、夕方通りすがりに血走った大眼玉でグイと睨みつけて行く。それがしの中将などはそれで驚死したということだが、つまりはそういった感じである。いつも眠むそうに眼を伏せているが、時折、瞼をひきあげると、ぞっとするような冷い眼付で相手を見た。武芸に自信のある手練者も、泰文の冷笑的な眼付でジロリとやられると、なんとなく勝手がちがうような気がして、手も足も出なくなってしまう。当代、泰文ほど人に憎まれた男もすくないが、ただの一度も刀杖の厄を受けず、思うぞんぶんに放埒な所業をつづけられたのは、そのへんに謂があるとみていい。