일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ぼしぞう

久生十蘭短篇選

久生 十蘭

久生 十蘭의 久生十蘭短篇選(ぼしぞう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 48,344자 · 96화면

아오조라 문고

泰文は無気味な冷笑をうかべて、それはもともと嫁資の一部をなしているはずのものだから、こちらの領分へとりこむが、そのほかの隠し田をあるだけさらけださなければ、童めらを勘当すると脅しつけた。

そのころ泰文は東山の八坂の中腹に三昧堂のようなものを建てた。有名な無信心者がどういう気で持仏堂など建てたのか。招かれたある男が可笑がって笑うと、泰文は堂の縁端まで連れて行って眼の下の墓地を指さし、

「あれはうちの墓地だが、童めらが一人残らずあそこへ入ったら、おれはここに坐ってゆっくり見物してやるのだ。そのための堂よ」

と笑いもせずにいった。

その男は泰文は隠居して、自分の子供らの墓を縁から見おろしてやるという奇怪な欲望からそういう堂を建てたということを了解して呆気にとられたが、あわれをとどめたのは仕送りを断たれた三人の息子で、長男の文雄だけは方略の論文を書いて試験に及第し、河内の国府の允になって任地へ発つ運びになったが、二男の国吉は灯心売りになり、三男の泰博は二条院の雑色になって、乞食のような暮しをしていた。泰文のやりかたがあまりひどいので、親戚のものどもも見るに見かね、関白の基房を通じて法皇のご沙汰をねがった。